うまい話には毒があるのか?

昨日は、久々に、いかにも不動産投資らしいセミナーに参加しました。主催はJ社。福岡で創業され、現在は東証一部上場のサブリース会社です。

 

そもそもこのセミナー情報がどこから来たのかは忘れてしまいましたが、FB広告か、DMだった気がします。DMだとしたら、賃貸住宅フェアでメアドを登録してたのかも。

 

いずれにしても、うがった見方をしなければ、サラリーマン不動産投資家が一番好みそうな、「フルローン・オーバーローン&未公開物件」に関するセミナーです。

毎週のように開催されるどこかのセミナーとはちょっと違うので、非常に楽しみにしてました。(福岡で前回開催されたのは半年前のようです)

 

もちろん、世の中には初心者を食い物にするだけのセミナーも多く、かつ、あまりにもうまいことばかりのセミナーだとも感じていたので、若干の警戒心があったことも事実です。

 

結論を先に書きますと、「もう少し、個別案件の話を具体的にしてみないと、良否の判断はできない」という感じですね。

 

こちらの会社、サブリース(家賃保証)をメインとする仲介会社なのですが、例えばこういうスキームです。

物件価格    10000万円

必要諸費用    700万円

合計      10700万円

 

金融機関融資額 8000万円

不足分    (2700)万円

J社無担保融資  2700万円

合計融資額   10700万円

 

これだけ聞くとすごくいい(笑

仲介会社が、「無担保」で自己資金不足分を貸してくれる。こんなことができるなら、理想的ですよね(全額をJ社が融資した例もあるそうですが、それは何度もリピートで購入されてる方向け)。

 

しかも、フレキシブルなサブリースが可能だそうで、例えば、

保証額70%+残り30%のうち、埋まった金額の3/4をオーナーへ

あるいは、保証額90%+残り10%のうち、埋まった金額の1/10をーオーナーへ。

保証額は70%~90%の間で複数プランがあるようです。

 

さらに、北海道から沖縄まで、地方都市も含めて全国対応。田舎の物件でもサブリースしますよ、というのも売りの一つだそうです。

 

いいことずくめに感じますが、セミナー中に確認できなかったポイントとしては、

 

・サブリースの免責期間は何か月か?

普通は2か月ですが、ここを10か月とか長くして帳尻を合わせているという話も聞くので、確認が必要ですね。

 

・無担保融資部分の金利は?

セミナー中では、無担保部分を5年返済、という話がありました。例えば無担保部分を全体の25%とすると、最初の5年間は、物件価格の約5%ほどを多く支払うことになりますよね。

 

上記の10000万円の物件の例で、全額を金利1.5%の金融機関でオーバーローンした場合と、J社方式で購入した場合とで比べてみます(J社金利が不明なので、ここでは5%とします)。期間は20年で計算。

 

通常

10700万円の1.5%、20年ローン = 毎月516000円/年間619万円の支払い

 

J社方式

8000万円の1.5%、20年ローン + 2700万円の5.0%、5年ローン

= 当初5年は毎月896000円/年間1075万円  以降386000円/年間463万円の支払いが15年

 

こうして計算してみると、J社方式は当初5年間は年間1200万円は収入がないと、固定資産税の支払いなども苦しいことがわかります。

 

かつ、サブリース後の金額でそれだけの手取りとなるので、例えば90%保証の場合であっても、サブリース前の満室表面家賃収入が1333万円はないと、当初5年間を乗り切れないことになります。

 

逆に、6年目以降は一気に収支が改善します。仮にこの物件が満室表面利回り13.3%の物件だったとして、上述のように当初5年は全く手残りなしですが、6年目からは固定資産税を支払っても年間600万円ほど残る計算です。

 

・・・しかし、サブリースの基本契約期間は10年です。せっかくの高収益期間も5年しか続きません。10年後にサブリース契約のまき直しとなった際、先方の査定がどうなるかは誰にもわかりません。

 

また、原状回復費用はオーナーにしっかり請求があるようです(セミナーの印象では)。当り前だろうと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、サブリース会社によっては基本的にオーナーには一切請求しないという優良会社もあり、オーナーへ請求するのがサブリースの世界では当たり前ということは一切ありません。

 

結局のところ?

私がJ社を使う可能性があるとしたら、

・地方で15%以上の高利回りRC。

・現実的に、築30年近辺(というか、20年程度のローンが組めるかどうか)。

・メインで融資を受ける金融機関で、85%以上の融資が出る。

・サブリースの免責が、メイン金融機関の元金据え置き期間と同程度。

・危ない橋を渡る気がするので、「積算>売値」も条件(収支には無関係ですが、気持ち的に)。

 

こういった条件がそろった時でしょうか。

 

でもね~、そんなにうまくいくなら、みんな買ってますよね?絶対、ここに出てこないマイナス点がある気がするな~。

5年後10年後に、キャピタルが取れる立地や築年数なら、当初5年は修行だと思って購入するのもアリですが、地方築古となると5年後の買い手はさらに限られますからね・・・。

 

地方高利回り物件に、そもそも85%融資してくれる金融機関がありますかね?地銀、信組、信金?簡単に言いますけど、地縁次第ですよね?法人の支店登記で許してくれるかな?

 

という感じで、過去のリアルな実例とか、個別案件で一度しっかり商談してみるとかしないと、現時点の情報量で判断を下すにはまだ早いかなというのが実感です。

 

また、そもそも論として、「融資の付きやすい高属性サラリーマンしか相手にしない」という可能性もありますよね。

 

一応、セミナー後のアンケートに「相談したい」と記載してきましたので、先方からコンタクトがあるかどうか。

進展あればまたご報告します。

 

ここまで書いてみて、「サブリース」について、私も1年前は悪いイメージしかなかったのですが、私と同じようにひたすら一方的に悪いものと誤解している人も多いように思いました。次回はサブリースについて簡単にメリット・デメリットをまとめてみます。