NTT西日本フレッツ光 隼 「全戸加入プラン」

入居者向け無料ネットサービスは、収益不動産オーナーの皆さんにとって、非常に悩ましい問題だと思います。新築アパートなどは、販売業者が提携している回線業者を受け入れるしかない場合もあり、その場合、コスト的に妥当なのかどうかはオーナー側ではなかなか判断が難しいことでしょう。

・無料ネットは導入したいが、最低限の設備を1円でも安く導入したい。

・競争力にかかわるので、なるべく高速な回線を、でもできるだけリーズナブルに導入したい。

上記どちらかのパターンで通常は検討することになると思いますが、今回紹介したいのは、NTT西日本さんが提供している、「フレッツ光 マンション・スーパーハイスピードタイプ 隼」を、全世帯に導入する「全戸加入プラン」です。

なぜか、このプランに関する情報がNTT西日本の公式情報くらいしかなく、実際に導入された事例のHPやブログなどを見つけられませんでした。私は実際にこのプランを18世帯の新築マンションに導入しましたので、その時の経験なども交えながら解説してみたいと思います。

 

隼 全戸加入プランのメリット

このサービスは、収益物件の全部屋に無料インターネットサービスを導入するという意味では他社のサービスと変わりはありませんが、違うのはその配線方式です。

通常、光インターネットとかFTTHとか称していても、集合住宅に導入する場合、共用部までが光ファイバーで、共用部から各部屋へは、棟内LAN配線や既存電話線(VDSL)を利用します。

それに対し、今回ご紹介するプランは、「各部屋までそれぞれ光ファイバーを引く」という部分が大きく違います。建物の共用部にボックスをつけ、そのボックスから各部屋まで電話線の配管等を利用して、新たに光ファイバーを引いていきます。

部屋の内部では、電話のモジュラージャック付近から光ファイバーを取出し、そこにONU(回線終端装置。いわゆるモデムのようなもの)を設置します。

「そこまでする必要あるの?」と思われたら、ごもっともです。確かに、そこまでハッキリ求めている入居者はわずかでしょう。しかし、集合住宅で自分の部屋まで光ファイバーを引くというのは、入居者がいくら希望しても、入居者だけの力では導入できません。オーナーがこの全戸加入プランで申し込むしかないんです。

また、入居者がそこまで熱心なネットユーザーばかりではなかったとしても、間違いなく近隣物件との差別化にはなります。「当マンションは、各部屋まで光ファイバーを導入しています。しかも無料!」というのは、潜在顧客層にとってかなり明確な差別化だと思いませんか?

ネットゲーム利用者、PCヘビーユーザーでソフトのバージョンアップなどで大量のDLをすることが多い方、ネットで動画をよく視聴する方、などなど、「ネットのスピードは速ければ速いほどいい」と思う入居者は意外と多いわけです。

「ネット無料」「光無料」と言いながら、単に無料なだけで低品質な回線を提供している物件が大部分、という中で、「NTTの光ファイバーを各部屋まで引いています!」という、ある種ネット回線の品質保証のような効果が見込めます。

 

隼 全戸加入プランのデメリット

当然、デメリットもありますが、主にコスト面です。通常、収益物件に無料ネットサービスを導入する場合、¥1000~¥1500/世帯・月ぐらいの金額が多いのではないでしょうか?

これが、今回の全戸加入プランですと、物件の世帯数によって金額が変化するのですが、私の18世帯の新築RCマンションの場合、NTTへの回線使用料+プロバイダ料で、約5万円弱支払っています。1世帯で¥2500+消費税ぐらいのイメージです。

かたや、アパートメーカー主導のネット回線は1世帯あたり高くても¥1500程度だと思いますので、+¥1000とはいえ地味にボディブローのように効いてきます。たとえば、私の物件が年間手残り400万だとして、¥1000×18世帯×12か月=216000円という金額は、手残りの5%を超える額です。

はたしてそれだけの価値があるのかどうか、導入に当たっては慎重に検討が必要です。

 

結論:オーナー自身がネットに価値を見出しているかどうか

導入すべきか否かは、結局のところ「オーナー自身が、自宅のインターネット回線にこだわりがあるかどうか。」に左右されると思います。自分がこだわるタイプだったら、「入居者もいまどき光を使いたいと思うはず。入居促進に効果ありそうだ」と考えるでしょうし、そうでなければ「いやいや、自分の自宅のネットもまだADSLなのに、なんで店子に光を引いてやる必要があるの?好きな人は自分で加入するでしょ(※集合住宅で「部屋まで光」はむずかしいんですが・・・。)」と考えて、とにかく使えればいいと一番安い会社に依頼することでしょう。

 

私としては、やはり新築で導入しているので、入居促進効果が見えにくいところ(そもそも新築なので、何もしなくても決まりやすい)。とはいえ、このプランは基本的には新築のほうが導入しやすいのも事実(配管の問題が出てくるため)。

費用対効果の分析がしづらいサービスですが、くるまにあ的には「新築時に自分でネット会社を選べるなら、今後はすべて『部屋まで光ファイバー』の会社を絶対選ぶ」と決めてます。別物件ではウエムラ建設のウエムラBBシステム(BBIQとウエムラ建設が提携してできた、部屋まで光ファイバーの一括サービス。ウエムラ建設の物件で、かつ、新築のみ対応。)を導入してますし、やはりオーナーという立場で一番かんたんに差別化しやすい部分かなと考えています。

 

あまり一次情報がないので、私も追加情報がありましたら、たまにこのページ更新しようと思ってます。